【第二章/注文服を攻略する-③仕立ての要素-5.仕立てのまとめ】
【注文服の方程式】

【仕立ての方程式】

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【仕立てのまとめ】 ・型紙は型紙.1と型紙.2がある。 ・縫製はクセ取りと縫い方の技術に差がある。 ・縫製SPECの差が価格の差に大きく影響する。 |
さて、縫製CHECKシート.2(ジャケット)の各項目は全てマークされているでしょうか?
初級者の方、ほとんど埋まらなかったと思います。
大丈夫です。
ここまで読んでいただいただけで、あなたの審美眼は大きくレベルアップしています。
ここがスタートラインです。
ゆっくりと、新しいゲームをエンディングまで攻略するように楽しんで進めていってください。
ちゃんとやれば誰でもクリアできます。
もし仮に、担当者の方に買った商品の縫製内容を聞いて「わかりません」や「教えません」という返答が返ってきたらそれはいかがでしょうか?
まず、担当者が商品を理解せずに販売していたとしたら恐ろしいですね。
また、こんな高額な商品を販売しながら、買い手に商品SPECを教えないという感覚であれば疑問を覚えます。
例えばこれが注文住宅であればどうでしょうか?
「自分の家にどんな材料を使うのか?どんな構造になるのか?」
と、あなたが担当者に聞いた時に
「それは教えないけど買ってください」
と言ってるようなものです。
他のどの注文業界においてもありえない事でしょう。
残念ながら、この部分がオーダースーツ業界のブラックボックスにもなっています。
あなたの大事な判断材料にしてください。
上級者の方はいかがでしたでしょうか?
完璧にマークを埋められた方がいらっしゃるかもしれません。
素晴らしいですね。
「ありえない!」
初級者の方でそれを信じられない方もいると思いますが、
事実、注文力レベルの高い買い手は多くいらっしゃいます。
「どうせおたくか、金持ちだろ」と思われましたか?
そうではありません。
シンプルになんとなく買い物をしてこなかった方達です。
自らが買うモノを理解するように努力し、判断し、質の高い経験を繰り返した方達は自然にベストマッチするオーダースーツに辿り着いていらっしゃいます。
以上、ここまでが【仕立て】の解説になります。
ここまで読んでいただいた方は、大変な工程を経てジャケットが作られているとご理解いただけたと思います。
そして仕立ての差が価格の差に大きく影響しているという事がご理解いただけたと思います。
ジャケットの仕立てが理解できれば他のアイテムの仕立てもだいたいわかります。
最後に、大切な事を言わせて下さい。
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ある仕立て屋は、少しでも価格を下げる為になるべく機械を導入したり、思い切って仕立てを簡略化したり、人件費を抑えるために生産国を海外にしたり。 ある仕立て屋は、少しでも質の良い洋服を作るために高い縫製技術を持った協力工場にお願いしたり。手縫いやクセ取りを多用して1人で全ての縫製を行ったり。
全ては作り手が買い手のために試行錯誤して生まれた注文服で、全てが正解です。 仕立ての良し悪しが善悪ではありません。 多様な正解が沢山あるという事は、あなたにとってラッキーな環境です。 |
さて、あなたはとって必要な仕立て要素は何でしょうか?
スーツを着こなす日々の中で、ゆっくりとご検討ください。
あなたにベストマッチする“仕立て”に出会われる事を願っております。